台風によるガラス破損被害

免責ありでも火災保険の各補償リスクをつけるメリット

提案する男女
一戸建てが立ち並ぶ住宅街

免責ありでも火災保険の各補償リスクをつけるメリット

飛来物は風災と突発的な物の2種類がある

自動車保険は等級があり、事故を起こすと等級ダウンと翌年のみ事故等級が適用されて保険料が割高になります。火災保険は免責以外のペナルティがないので修理・修繕費用の見積が免責金額より高ければ保険請求する流れになります。

台風でガラスが割れて11万円を補償(免責5万円)

台風によるガラス破損被害

日本は台風の多い土地柄、全国で災害リスクがあります。台風被害の中でも多いのが、風圧や飛来物によって窓ガラスが割れてしまうことです。台風や突風での被害は火災保険の風災リスクで補償されます。補償の有無で保険料が変わる項目にもなり、免責設定を付けている方も多いです。

台風被害によって家の窓ガラス1枚と車の窓ガラス1枚にヒビ割れ被害を受けたSさんは、火災保険の風災リスクと自動車保険の車両保険(エコノミータイプ)に加入していましたが、家のガラスのみ火災保険で保険修理を行いました。

火災保険では風災リスクの5万円の免責金を付けていて、ガラス交換費用は11万円だったため、保険金は6万円支払われました。

台風でガラスの割れた経緯と概要

台風被害に合ったSさんの事例

三重県で海の近くの高台に築20年の一戸建(持ち家)に住んでいるSさんの家は1階のみ雨戸があって、2階には雨戸のない構造でした。

台風が直撃した日のSさんは、休日で悪天候を理由に家で一日過ごしていました。勢力の強い台風で近くの漁港にはニュース記者が取材をしていて、瞬間最大風速は50m以上を記録していました。

また、敷地内にはSさんと妻の車が2台、カーポートのない状態で屋外駐車しています。台風が直撃している午前10時ころに、2階の部屋から「パリン」という音が聞こえて、すぐに見に行くと2cmほどの穴があいて、周囲にはヒビが広がっている状況でした。

すぐに妻と協力して、ダンボールとビニールを活用してガラスを応急処置します。ガラスが割れて飛び散った範囲は狭かったことと、音を聞いてすぐに対処したことで、家の中の被害は最小限に抑えられ、その場で掃除機と拭き掃除をする程度で対処できました。

夕方には台風が通過して天候が回復してきます。再度家の回りでほかに被害が出ていないか確認すると、Sさんの乗る乗用車のフロントガラスも割れてヒビが入っていました。

車のフロントガラスは合わせガラスなので、ヒビが入るだけで車内に水やガラスが浸入する被害はありませんでした。

被害を受けたSさんが加入していた保険の内容

火災保険

  • 火災リスク
  • 風災リスク
  • 水災リスク
  • 盗難・水濡れ等のリスク
  • 免責設定: 風災5万円
  • 臨時費用特約: なし

自動車保険(車両保険)

  • エコノミー(車+車限定A)
  • 等級: 12等級
  • 免責: 5万円

支払われた保険金

家の窓ガラス交換費用のための保険金: 6万円

内訳

  • ガラス交換費用一式: 11万円
  • 免責金額: △5万円
  • 火災保険支払金合計: 6万円

※車の窓ガラスは保険会社および整備工場と協議の結果、全額自費修理

ポイント①火災保険は免責以外のペナルティがない

火災保険は敷地内の事故であっても車は対象外になり、自動車保険で対処しないといけません。自動車保険の車両保険はエコノミータイプで台風が補償になりますが、等級が1等級ダウンに加えて保険請求した翌年は事故等級が適用されて保険料が高額になります。

自動車のフロントガラス交換を見積したところ、メーカーの純正品で8万5千円、海外メーカーのガラスだと5万円で対処できる見積が出ました。自動車保険料は保険請求すると翌年には3万3千円保険料が高額になる見積が出てきました。メーカーの純正ガラスに交換する場合は免責と割高になる保険料を踏まえてもギリギリ保険を使った方がお得になる計算ですが、6年経過した車で代替予定もあったため、海外製のガラスで自費対応することになりました。

保険を使わなければ翌年に等級が1つ上がるので、次に事故を起こした時の対応も有利になります。また、車両保険の免責は1年の中で1回目は5万円、2回目は10万円になる契約なので、数千円しかお得にならないのなら、安心感を重視して保険は使わないという結論になりました。

火災保険については自動車保険のような等級ダウンによって翌年および更新時の保険料が割高になるペナルティはありません。免責設定をしていた場合、修理・修繕費用の見積が免責より高ければ保険請求した方がお得です。免責設定してもシンプルな仕組みになる点は自動車保険に比べた火災保険のメリットです。

もし、保険請求した同じ年に同様に台風被害で窓ガラスが割れたとしても、同様に5万円の免責負担をすれば、その他のペナルティなしにガラス交換費用を保険請求できます。

ポイント②免責は1事故ごとのカウント

Sさんは幸いなことに台風による被害は窓ガラス1枚で済みました。2階の窓は全て雨戸がないので、同時に複数枚のガラスが被害を受けることも考えられます。保険の免責は1事故ごとのカウントなので、台風で同じ日に複数枚のガラスが割れても1事故で免責金額は5万円のみです。

仮に、子供がボール遊びでガラスを割った場合は破損等リスクで補償されますが、ガラスを割って注意しても懲りずに同じ日に違う場所のガラスを再度割った場合は2事故扱いになって免責も設定金額の2倍払う可能性が高くなります。

また、台風による被害はガラスが割れる以外にも、屋根や雨樋の損傷も多いです。ガラス交換だけなら1枚10万円前後で対処できても、屋根や雨樋被害だと数十万円の被害になります。

大きな災害のことを考えれば高額な免責をつけてでも風災リスクに加入しておく価値は高いです。

ポイント③風災による飛来物と突発的な飛来物の違い

Sさんの場合はガラスの割れ方を見る限り、明らかに台風の突風で飛んできた飛来物による被害でした。飛来物による被害は盗難水濡れ等のリスクの項目にもあります。

飛来物は「外部的な物体の飛来」と「風災による飛来物」の2種類があり、Sさんの場合は台風の直撃した日の事故だったため、風災リスクに分類されます。

外部的な物体の飛来には、近所の子供の野球ボールや鳥などがあり、風の影響を受けていない可能性が高ければ風災リスクだけでは補償されないこともあります。

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