割引が豊富な保険会社が判明
安い保険会社を探すときは、条件割引制度よりも見積もりで料率も含めた総額で比較したほうが早いです。前回契約時に安かった保険会社でも更新時には割引適用外になって保険料が大きく変わるケースもあります。
条件割引制度
火災保険は商品ごとに特定の条件を満たした住宅のみ割引を実施するサービスを用意しています。火災保険を複数社に見積をして50%前後の差が出ることがあるのは、保険料率と割引サービスの違いです。
同じ割引を用意している商品でも割引率や適用条件が違うこともあるので、一括見積もりを活用して必ず比較するようにしましょう。
代表的な火災保険の条件割引制度をまとめました。
築浅割引
保険契約始期の時点で、築年数が10年未満である場合、建物の保険料に対して「築浅割引」が適用されるケースが多いです。
代理店型保険でも多くの保険会社が扱っていますが適用条件が違います。一例として損保ジャパンは築10年ではなく築25年以内が割引対象になります。(2022年10月現在)
取扱保険会社例
- 東京海上日動
- 日新火災
- セコム損保
- 損保ジャパン
- あいおいニッセイ同和損保など
新築割引
契約始期の時に保険会社によって定められた新築条件を満たせば割引適用になります。損保ジャパンは新築完成時から11ヶ月後の月末までが割引適用期間です。
※2018年12月31日以前始期の契約に適用
建物・家財セット割引
損保ジャパン日本興亜の割引サービスです。
火災保険の建物・家財をセットにして、保険期間5年のご契約に安心更新サポート特約をセットした場合のみ適用されます。
取扱保険会社例
損保ジャパン
ホームセキュリティ割引
運営母体が警備会社のセコム損保のみ扱っている割引制度です。セコムのホームセキュリティの中でも、火災、盗難を常時監視するシステムを購入し有効活用している場合、17~37%の割引が適用されます。
取扱保険会社例
セコム損保
オール電化割引
空調、給湯、調理など全てオール電化製品を使い、原則家の中で火を使わない環境だと保険料が割引されます。オール電化住宅でも、石油ストーブ、ガスストーブを利用していると割引適用外になる場合があります。
セコム損保の場合は割引率7~17%です。
取扱保険会社例
- セコム損保
- SBI損保
ノンスモーカー割引
建物内で喫煙をしないと自己申告があった家に対して適用する割引制度です。旧AIU保険の場合は1年契約のみ割引対象になる制約があります。一時的な来訪者、通行人の投げ捨ての場合は適用になります。
居住者の喫煙は1回に限り、ノンスモーカー割引を外すのを申告漏れとして補償する救済措置も用意していますが、損害金の20%(上限100万円)が差し引かれるペナルティがあります。
取扱保険会社例
SBI損保
耐火性能割引 (T構造耐火性能割引・H構造耐火性能割引)
旧AIU保険のみ扱っている割引制度です。外壁の耐火時間がT構造で60分以上、H構造で45分以上ある建物ということを、建築確認申請書第四面等で証明すると割引適用になります。契約期間中の中途割引申込には対応できません。
取扱保険会社例
旧AIU保険
発電エコ住宅割引
旧AIU保険が指定した条件を満たすソーラー発電またはエネファームの場合に申告書を出すことによって適用されます。
旧AIUはオール電化割引も用意していて、併用利用割引です。
取扱保険会社例
旧AIU保険
地震保険の割引制度
地震保険は建物の免震・耐震性能によって最大50%の割引を受けられます。地震保険は火災保険とは違い、保険会社と政府の共同事業になっていて保険会社ごとで保険料や割引制度は一律です。
地震保険は以下の割引制度が用意されています。
耐震証明書など各種必要書類を提出することで、最も割引率の高い、いずれかひとつの割引が適用されます。
建築年割引 | 割引率:10% 対象建物が昭和56年6月1日以降に新築された建物である場合力 |
---|---|
耐震等級割引 | 割引率:等級1 10%、等級2 30%、等級3 50% 国土交通省の定める耐震等級を要する建物 |
免震建築物割引 | 割引率:50% 対象建物が国で定められた免震建物に該当する場合 |
耐震診断割引 | 割割引率:10% 対象建物が地方公共団体等による耐震診断または耐震改修を受けて基準を満たした場合 |
地震保険の長期係数
地震保険の契約期間は1年~5年です。2年以上の長期契約をすると契約期間に応じて係数が増えて保険料が安くなります。
長期係数による割引は、上記の地震保険の割引制度との併用が可能です。
地震保険の長期係数一覧
- 2年
- 1.90
- 3年
- 2.75
- 4年
- 3.60
- 5年
- 4.45
※2年以上の地震契約の保険料計算方法
地震保険金額 × 地震保険料率 × (100% - 割引率(%) × 長期係数) × 0.001(千分の1)
割引よりも保険料率が重要
火災保険の条件割引制度は、損保ジャパンやSBI損保、セコム損保が充実していますが、割引適用条件であれば、必ずしも保険料が他社より安くなるとは限りません。
保険料は、「保険金額 × 保険料率 × 割引率」によって計算されます。割引制度がない火災保険でも保険料率が安ければ総額で最安値になることもあります。条件割引制度を比較するよりも、一括見積もりで家の条件ごとの保険料を試算したほうが良いです。
保険会社は商品改訂で条件割引の内容や保険料率を変更することもあります。一度複数社を比較して最安値の保険会社を見つけていたとしても、次回の更新時には割引の適用条件から外れるなど割高な保険料で更新してしまうケースもあります。
火災保険は更新毎に一括見積もりを利用して見直すようにしましょう。