マンション共有部分の保険

共有部分の地震保険未加入マンションのリスク

提案する男女
一戸建てが立ち並ぶ住宅街

共有部分の地震保険未加入マンションのリスク

マンション管理費の内訳・使い道

マンションの火災保険・地震保険は専有部分と共有部分で独立していて、共有部分は管理組合が月々の管理費用から工面しています。マンション共有部分の地震保険加入率は約40%です。

管理費の安いマンションは要注意

マンションと不動産を紹介する男性

マンションを保有すると月々の管理費が発生します。管理費は快適・安心・安全に住むために必要なものですが、なるべく安くあってほしいと思っている方が多いのではないでしょうか?マンションを買う方は管理費の高いマンションを敬遠する方もいますが、管理費が高い場合は管理組合が加入する保険が充実している可能性が高いです。

一方で管理費の安いマンションの大半は、保険料の高額な地震保険に未加入のケースが多いので注意してください。

地震保険や火災保険の加入状況によって万一の時の費用負担の有無が変わるので、管理組合が加入している火災保険の契約内容を確認しておきましょう。

管理費に含まれているもの

マンションの管理費に含まれているものは以下のものがあります。

  • 管理会社への費用(管理人さんの人件費など)
  • 共有設備のメンテナンス費用(植木、防犯カメラ、エレベータなど)
  • 定期メンテナンス費用(排水設備の洗浄・共有部分の定期清掃など)
  • 火災保険、地震保険
  • 共有部分の光熱費

なお、マンションの維持費は管理費と修繕積立金の2種類があり、マンションによってエレベータや機械式駐車場の定期メンテナンス費用を修繕積立金から計上している場合もあります。もっとも内訳が大きいのは管理会社への費用ですが、それに次いで火災保険が大きなウエイトを占めています。

実際にかかる費用はマンションの総戸数や規模、階数、地域によって大きく変わってきますが、管理費が高いマンションは共有部分のために使っているお金が大きいです。

なお、管理費や修繕積立金は総戸数が多いと一戸あたりの負担が少なくなるものですが、都心のタワーマンションはコンシェルジュ設置や充実の共有設備を用意して、高額な管理費を徴収しています。

管理費の相場

マンションの総戸数やグレードによって異なりますが、50~70平米の専有部分を所有している場合にかかる管理費の相場は月々8,000~15,000円です。

管理人がいないマンションや総戸数が多いのに最低限の内容で済ませているマンションは月々5,000~8,000円のケースもありますし、タワーマンションや温泉付きのリゾートマンションは管理費だけで月々5万円以上かかることもあります。

マンションを購入する場合は、管理費を見るだけではなく総会資料などの提示を請求して内訳まで確認しておくとよいでしょう。

全体的な傾向として、専有部分の面積が50~70平米に対して管理費が月々12,000円以下の場合は地震保険に未加入の可能性が高く、特別な共有設備がない中で管理費が15,000円より高い場合は、地震保険にもしっかり加入している可能性が高いです。

共有部分の地震保険加入率

財務省の「マンション共用部分の加入促進に関する取組み」による資料によると、平成25年時点のマンション共有部分の地震保険付帯率は37.4%で、全契約者平均の58.1%を大きく下回っています。昨今は地震保険の加入率が上昇していて、最新動向ではおよそ40%の加入率になっていると言われています。

東日本大震災や熊本地震からマンションの地震保険加入率がわずかに上昇していますが、新築分譲マンションを見ると地震保険に未加入のマンションが多いです。新築分譲マンションの場合は、分譲販売を有利にするために管理費を安く抑えたい思惑と、新築マンションは耐震性が高いことを理由に地震保険は不要だと判断しているのでしょう。

マンションの耐震性は築年数や階数によって変わってきて、古いマンションや10階建て以上の高層マンションは地震保険に加入する必要性が高いです。

後から地震保険に加入する場合

マンションの共有部分の火災保険は、管理組合が加入します。

地震保険未加入の場合でも後から追加で加入することはできますが、普通決議として地震保険に新たな加入をする場合は組合員の過半数から賛成票を取らないといけません。

地震保険未加入のマンションの場合は管理費の値上げをしないと地震保険に加入するのが困難なため、過半数の賛成を取るハードルは高いです。

少しずつですがマンション共有部分の地震保険加入率が上昇しているデータを見ると、相次ぐ大地震で地震保険の見直しを行っている管理組合が多いのでしょう。

地震保険未加入に不安がある場合は、総会で提案を行って見積や管理費の試算をすることから始めてみてください。

未加入で被災した場合

被災のイメージ

マンションの地震保険は共有部分と専有部分で独立した扱いです。

マンションの共有部分が未加入でも、専有部分に加入していれば地震の揺れで家具が倒れた損害(家財保険の地震加入必須)や、通電火災などで火事になった専有部分の修繕費が補償されます。建物が傾く不具合の発生や、柱など重要な部分に亀裂が入るなどの損害を受けた場合、専有部分の地震保険だけに加入していても共有部分が未加入であれば補償されません。

東日本大震災や熊本地震では多くの地震保険未加入マンションが被災をし、主に住人から追加の費用(平均で50~150万円)を徴収して修繕が行われました。

築浅マンションの場合は建て替えが必要になるほどの被災をする可能性は低いですが、管理費が安くて地震保険未加入のマンションは、大地震の際にまとまった持ち出し費用が発生する可能性があることを覚えておきましょう。

まとめ

マンションを購入する際は、管理費の金額と火災保険など管理費の内訳を確認しておきましょう。中古マンションの場合は毎年行われる総会で最新の資料が作られるので、売主や管理会社(管理人)に声をかければ資料を提示してもらえます。

築年数が古くて地震保険未加入のマンションは、管理費が安くても万一の時にまとまった出費が発生するリスクが高いことを認識しておきましょう。

現在住んでいるマンションが地震保険未加入で不安がある場合は、総会や管理組合の理事長に提案をしてみてください。組合員の多くは管理費の値上げに対して否定的なものですが、マンションの共有部分の地震保険加入率が上昇していることを見ると、全国的に地震保険や管理費の見直しをしているマンションが増えていることが明白です。

すぐに地震保険に加入できなかったとしても、見積や管理費の値上げ試算を行い、組合員で話し合って議決を取るのはとても良いことです。

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