火災保険の仕組みと役目

火事だけじゃない!雷・洪水・台風も補償される火災保険

提案する男女
一戸建てが立ち並ぶ住宅街

火事だけじゃない!雷・洪水・台風も補償される火災保険

火災保険が強制加入になる訳

近年は通販型保険の参入もあり、価格や特約で火災保険のサービス競争が激化しています。「どこも同じだ!」と軽く考えてしまう方が多いですが、見積比較や更新時の見直しが重要です。

万一のリスク回避に「火災保険」

火災保険は名前の通り火事による損害補償がメインであるものの、水災・風災を含め、家のさまざまな損害を補償する保険です。

住宅ローンで家や集合住宅を購入したり、賃貸で住む家を用意している方がほとんどですが、万が一、火事や災害で家が大きな損害を受けたときに、住民が修繕や建て替え費用を工面できず住む場所を失ってしまうリスクを回避する役割があります。

火災保険の仕組みと役目

火災保険は加入者から保険料を徴収して、その中から火事や災害、その他保険適用の損失によって保険請求した方に保険料を支払う役目があります。

保険種目は自動車保険や海外旅行保険などと同じ損害保険に該当します。取り扱い保険会社を見ると東京海上・三井住友など自動車保険で有名な保険会社がズラりと並んでいます。

代理店型損保会社は自動車保険、火災保険の両方を扱っていますが、通販型火災保険は車に比べて取扱会社が少ないです。

しかし、近年は安いと評判の通販型保険が増えていて、ネット見積や一括申込サービスの需要が拡大しています。

保険金は確実に支払われる

火災保険をはじめ、損害保険は保険商品を扱うことを国から認められた会社だけが提供できるサービスです。大手損保や新規参入した通販型を含め、損保会社の破綻リスクは少なく信頼性は高いです。

しかし、根本は民間企業や団体のため絶対に破綻しないとは断言できません。

それでも安心してください。火災保険は法律によって万一加入中の損保会社が破綻しても保険金が必ず補償されます。

基本的には他の損保会社が救済する形で破綻会社の加入者を受け入れる流れになり、救済会社が現れない場合は損害保険契約者保護機構が資金援助することで対処します。過去には第一火災が2000年に経営破綻して、損害保険契約者保護機構の資金援助を受けた事例もあります。

近年は損保会社も資金力が重視されるようになり、大手損保会社の統合や新規参入する保険会社も母体が大きく信頼性が高い企業が中心なので破綻リスク自体は非常に少ないです。

環境により変動する保険料

変動する保険料の様子

火災保険は主に火災リスクによって保険料が計算され、次の要因で変動します。

  • 空気が乾燥する地域は火災が起こりやすい
  • 住宅が密集している地域は火災リスクが高い
  • そのエリアの消防署の数や近さ
  • 家の地域区分(第1種低層居住専用地域や近隣商業地域など)
  • 家の材質(木造、鉄筋など)
  • 家の構造(T構造、H構造など)

エリア別の保険料率は都道府県や市区町村単位で変わります。

さらに、同じエリアでも家の地域区分や建物の構造によって保険料の計算方法が変わってくるので、あなたの家の保険料が全国平均と比べて高いのか、安いのかは実際に見積を取ってみないとわかりません。

また、各保険会社によって、環境による火災リスクの高さを評価する基準(保険料率)が変わるので、条件ごとに保険料が安い保険会社が異なってきます。

何故、地震保険は高額?

地震保険は火災保険加入者のみオプションとして加入できます。火災保険単体では、地震による倒壊や火災、津波被害は補償されないので注意しましょう。

火災保険の場合は、大半のケースが火元の建物のみ被害を受けます。大きく燃え広がっても歴史に残るような大火災を除いて数十軒程度の延焼で収まります。

日本は人口密度が高く消防署の人口カバー率が高いので、火災の初期消火に強い国です。

そのため、火災保険は全焼して数千万円の保険請求をする方が現れても、加入者全体から見ればごく一部なので安い保険料でカバーできます。

しかし、地震災害は状況が変わってきます。阪神淡路大震災や東日本大震災では、特定エリアで多くの全損被害が出ています。

ひとつの災害で多くの保険請求が発生する可能性がある地震保険は、大規模地震にもカバーできるように保険料が高く設定されています。

保険自由化による競争激化

1996年の保険自由化によって、保険料率設定が自由になり、損害保険業への参入基準も緩和されました。

この結果、外資系や通販型保険が普及して火災保険の環境も大きく変わってきました。

現在は、水災や風災など家に致命的なダメージを与えにくい補償プランの取り外しを可能にしたカスタマイズ性がある保険商品や鍵の紛失や水道修理など経年劣化や住人の過失によって生じたトラブルまで補償する特約が増えています。

代理店を持たない分、保険料の安さに特化したダイレクト保険も増えて、火災保険の選択肢が増えています。金額で比較するもよし、サービス内容で比較するもよし。自分にあった火災保険を探しましょう。

ローン・賃貸は加入必須

火災保険は、火事はもちろん落電や洪水、爆発など幅広い理由による損失を補償します。また、火災保険の補償される範囲はその住宅(部屋)のみです。

仮に隣の家が火元で火災が発生して、運悪く風下で火が燃え移って被害を受けたとしても、火元の家の火災保険では補償されません。

つまり、保険加入者に一切の過失がなくても、火事やその他災害による被害を受けるリスクを抱えています。

賃貸や住宅ローンを組んで家を購入された場合は、大家や銀行が火災保険の加入を義務付けています。賃貸は物件所有者ではなく、居住者が火災保険に加入するルールになっています。

持ち家で、ローン購入時の火災保険の満期を迎えた場合や、ローンを組まず一括購入した場合は、火災保険の加入を義務付ける者がいなく、法律的には火災保険に加入しなくても問題ありません。

しかし、火災や災害で家に致命的なダメージを受けた場合に修繕や建て替え費用を工面できなくなるので、火災保険の加入は住宅保有者の義務と言えるでしょう。

理屈上は、持ち家でローン残債もなく、一括で建て替えができる貯蓄を持っていれば火災保険に加入しなくても災害時の対処はできます。それでも、火災保険料と災害時の損害額を考慮すると火災保険に加入しないで自己対処することは賢い選択とは言えないでしょう。

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