一軒家向け火災保険選びの基礎知識
持ち家は長年住んでいるとプラン選びをせずに、数十年前のプランや代理店の提示したプランで何も考えずに加入する人が多いですが、保険会社と補償を見直せば火災保険は大幅に安くできます。
一戸建て火災保険の選び方・補償の必要性
一戸建て(一軒家)の持ち家は火災保険の請求頻度も多く、プラン選びが重要です。地域や立地によって風災・水災リスクは大きく変わってきて、保険会社ごとで料率も違います。不動産会社や保険代理店の提示された見積ではなく、しっかり複数社比較すれば火災保険料は大幅に安くできる可能性があるのです。
ただし、安さだけではなくリスクや資金力に応じたプラン選びを心がけないと有事の際に後悔してしまいます。
建物の設定金額の決め方
火災保険は建物の補償について、再調達価格を基準にする新価と現在の建物価格を基準に算出する原価の2種類があります。
最近の火災保険はほぼ新価で統一されています。新価の理想的な金額設定の方法は実際の建築価格です。新築や築浅物件の場合は簡単ですが、古い建物は建築価格が分からない場合や、建築した当時と新築工事の相場が変わっている場合もあります。
設定価格で迷ったら、延床面積から建築価格の相場を掛けて算出しましょう。
新築の建築価格の目安(坪単価)
- 一流ハウスメーカー
- 50万円~100万円
- ローコスト住宅
- 40万円~60万円
※1坪=3.30579㎡
現在の建物が安い造りなのに、高級住宅を建てられるような金額設定にしても保険請求の認められない可能性があります。
全国平均でおよそ60万円~70万円なので、延床面積に平均的な建築単価を掛けた金額を火災保険の設定額にしておくと無難です。
各種補償リスクの必要性
一戸建ての主要な基本補償の考え方をまとめました。補償の有無だけではなく、リスクの低い場合は免責設定をして補償をつけておくなど、プラン選定にもひと工夫しましょう。
火災リスク
必須の補償です。多くの火災保険は火災リスクを付けないと火災保険に加入できない仕組みになっています。
家財保険
任意項目ですが、ファミリーの場合は家財保険に加入する必要性が高いです。
一例として三井住友海上の家財の評価額(再調達価額)の目安を見ると38歳~42歳で子供1人の場合、1,160万円の家財保険をかける目安にしています。
実際に火災で被害を受けると、それだけ家財の再調達にお金のかかることを意味しています。
水災
一戸建ての場合は洪水などで床上・床下浸水するリスクがあります。 高台や玄関が道路より高い場合のリスクは低いです。各自治体より洪水ハザードマップで地域ごとの洪水リスクを開示していることもあるので参考にしましょう。
風災
風災被害で多いのは台風などの強風による飛来物で窓ガラスが割れたり、屋根の損傷です。台風の多い地域は風災の必要性は高いです。
使っている窓ガラスの強度、割れる可能性のあるガラスの数、屋根材など建物の構造によっても損傷を負うリスクや修理費用は変わってきます。
落下・飛来・衝突・いたずら
立地や地域柄によってリスクは変わってきます。車通りの多い道路に面している場合は衝突リスクが大きいです。
人通りの多いとイタズラリスクは高くなりますし、少なすぎる場合もリスクは高まります。小学校の近くの住宅街もイタズラ被害の多いデータが出てきます。
最近ニュースに取り上げられることの多い米軍機の落下事故で、屋根の破損するケースもあるので、周辺環境なども考慮して検討しましょう。
地震保険
地震保険は地域ごとに保険料率が異なります。
つまり、保険料とリスクのバランスで見れば全国どこでも大きな違いはありません。自分の家はもちろん、周囲の家の新しさや津波リスクなども考慮しましょう。
地震による被害は倒壊だけではなく地震火災も含まれます。近所の家が地震火災になって燃え移った場合も通常の火災保険では補償されません。
建物の耐震性以外も含めて地震保険の必要性を考えてみてください。