業種ごとで変わる割増率と特約の種類
お店の火災保険は中途半端に居住用物件と共通点もあるため、正しい知識を持っていない代理店から提示された間違った内容で保険に加入して無駄な保険料を払ったりリスクの高いプランで契約しているケースも目立ちます。
居住用火災保険と違う注意点
お店を経営しているなど、店舗を持っている場合も火災保険に加入するのは必須です。基本的な火災保険のルールは居住用物件と同じで、自己所有の建物なら建物を含めた総合的な補償を付ける必要があります。
テナントを借りている場合は賃貸と同じで建物の補償はオーナーや管理組合が加入して、店舗経営者の加入する火災保険では備品や設備など物についての補償と火災になった時の大家や他の物件所有者への賠償補償をつけます。
同じ建物に何軒もテナントの入っている場合は、大きな火災を起こした時の休業補償の賠償額は高額になるので、手厚い内容で加入しておく必要があります。
店舗の場合は住宅の家財保険とは違い、高額な設備や備品もあるので適切なプランで火災保険に加入しましょう。店舗用火災保険は火災や天災など、災害以外の企業が抱えるリスクも総合的に補償する「企業総合保険」という商品になっていて特約のバリエーションも豊富です。
店舗は割増率が重要
店舗の火災保険は住宅用火災保険よりも料率は高めに設定されています。店舗(事務所などを含む)を含めて全般的に割増になっていて、さらに業種ごとに割増率は変わります。
花屋、雑貨屋などガス設備のないようなテナントよりも飲食店の方が割増率は高くなって、業種ごとの料率は各保険会社で個別に設定されています。
つまり、店舗の火災保険は保険会社ごとで料率の違いが大きくなります。割高な保険会社で加入している場合は他の大手損保に切り替えるだけで30%以上保険料の安くなるケースもあります。
店舗向け火災保険は基本的に代理店系のみ
店舗の火災保険は通販型では扱っていません。一部で外資系の取扱もありますが、ほとんどは国内の大手損保で加入しています。
選択肢は少ないのでどこで加入しても同じだと勘違いして比較せずに決めてしまう方も多いです。火災保険の一括見積や複数社の代理店を行っている保険の総合相談窓口に相談して、割増率を含めて複数社比較するようにしましょう。
店舗ならではの特約
お店を経営している場合は、様々なトラブルリスクや火災時の問題が発生します。店舗に共通した問題は火災で店舗を使えなくなったときの休業補償です。
お店を使えなくなると家賃負担だけではなく収入も止まってしまいます。火災保険によっては休業補償まで行い、休業期間を短縮するために工事の外注や店舗の移転および仮設店舗使用の特約をつけられる場合もあります。
ただし休業補償を付けると保険料は高額になります。保険料の安さだけではなく休業補償の有無と内容も考慮して火災保険選びをしましょう。
また、飲食店の場合は食中毒の発生した場合の賠償費用や行政処分を受けた際の休業補償をしてくれる特約もあります。(保険会社によって取り扱っていない場合もあります)
業種の抱えるリスクや万一の時に対処できる資金の有無などを考慮して補償選びをしましょう。
一般的な店舗用火災保険では休業補償のないタイプを「一般物件用」、休業補償付きを「休業補償条項プラン」と保険の種類(商品)そのものを分けています。
複数の拠点を一括して補償できるタイプも
数店舗運営している場合は、保険会社によっては物件ごとではなくて法人として全ての物件や設備を1つの保険契約にまとめて加入できる商品もあります。
保険料はオーダーメイドのイメージで補償範囲は保険設定金額によって大きく変わります。店舗の火災保険選びは基本的な部分は住宅用と共通点も多いですが、賢い保険選びをするためには店舗用火災保険ならではの専門知識が必要です。
付き合いのある個人代理店ではなく店舗用火災保険を多数扱っていて経験と知識が豊富な保険のプロに相談しましょう。